これまで、日本株を配当再投資した場合、その利回りは市場をアウトパフォームするのかという観点から、日本たばこ産業(JT)、KDDI、キヤノンを題材に検討しました。 

今回は、KDDIと同じく強固なキャッシュフローを持ち、高い配当を長年維持している日本の大手携帯メーカーNTTドコモを取り上げ、配当再投資を継続した場合の利回りを試算しました。

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NTTドコモの近年の業績と株価

NTTドコモは、携帯電話で国内最大手(シェア4割強)で、NTTグループの中核をなす大企業です。非常に好財務で、近年は非通信事業を鋭意拡大中です。

マンホール型中継器やドローン中継器など面白い試みも行っています。

携帯電話市場は成熟産業ですが、大手三社でほぼ寡占状態であり、業績は堅調に推移しています。大きく業績が伸びているわけではありませんが非常に利益率が高いです。株主還元にも積極的で、2018年配当性向は60%近くもあり、配当性向がおおむね30%である日本市場では珍しい存在です。配当金も10年間一度も減配しておらず、配当利回りも3.0~4.5%と日本を代表する高配当銘柄になります。

NTTドコモ配当
NTT ドコモ業績

完全な余談ですが、コンビニ各社が金融業に参入しているように、いずれドコモも銀行などの金融業を拡大してくるのではないかと妄想しています。

日本株で配当再投資戦略は成り立つか

バフェット流に言うと深い堀を事業として持ち、安定したキャッシュフローを源泉に高い配当利回りを維持してくれるような企業を選択し長期投資するいわゆる配当再投資戦略は、S&P500に連動するインデックス投資を利回りで上回る可能性のある投資手法として、主に米国株を対象として人気です。そして、寡占市場である携帯電話業界最大手のNTTドコモは、その深い堀を持つ大企業といえるでしょう。

むしろ、NTTドコモで配当再投資がダメなら、少なくとも日本版配当再投資は簡単なものではないといえるかもしれません。

NTTドコモの長期積み立て投資利回り計算条件

今回、下記の条件を設定して利回り計算をしてみました。

  1. 毎年1月31日終値で、40万円で購入できる株数を購入する。
  2. もし、40万円で購入できない場合でも100株だけでも必ず購入する。
  3. 配当は翌年の購入原資とする。
  4. 配当は20%の税引き後で計算する。
  5. 投資の開始時期は2008年とする(リーマンショックなどがあった時を想定するため)。最終評価用株価は2700円で計算。

日本でもミニ株という制度を用いて1株から株を購入できる証券会社もありますので興味がある方は調べてみてください。若干手数料が高い・取引価格が通常とわずかに異なるなどでメリットもありますが、最低単元未満で購入できるのは非常に魅力的です。(参考:SBI証券S株制度

ただし今回は、特殊な制度は用いずマニュアルで年一回積み立てていく手法で計算してみます。

NTTドコモの長期積み立て投資利回り試算結果

NTT ドコモリターン

2008年からで7.0%という結果でした。日経225のインデックスファンドが15年間の平均利回りが7%、TOPIXが5.3%(https://toshin-assist.jp/index、投信アシストより)なので、NTTドコモにおける配当再投資は市場平均と同程度となっています。

ただし、配当にかかる税金20%を今回は計算に入れていますのでNISAをうまく利用できればもう少しパフォーマンスが上がってくるかと思います。税金が完全に控除の場合、平均年利回りは7.74%まで上昇します。NISAでは5年間しか非課税になりませんので、実際の結果はこの間の値になるでしょう。

アメリカでは、配当にかかる税率が10%ですので、この点が日本版の苦しい点です。

日本版配当再投資戦略はベテラン向け

NTTドコモの配当再投資は決して悪い結果ではありませんでした。ドコモ自体が非常に堅調な業績を維持しており、株主還元にも積極的であることからポートフォリオの一部に導入することは十分考えるに値します。

携帯電話という性質上、いきなり業績が悪化することは考えにくいですが、楽天の市場参入、政府からの値下げ圧力、人口減少など決して無視できない懸念要因もありますので楽観視はできませんが、計算のできる銘柄だと思います。

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