◯ 人口減少がもたらす未来

日本と言えば今後は人口減少と向き合っていかなければならないことは皆さんもご存知かと思います。

今回は「人口減少」というキーワードが、果たして私たちにどのような影響を与えるのか考えてみました。

◯ 経済は縮小する

GDPは簡単にいうと人口×一人当たりの生産性(生み出した付加価値)なので、人口減少はダイレクトにGDPを減らす方向に働きます。

つまり、人口増加によってもたらされたこれまでの経済成長の原理に沿う限り、GDPを維持するもしくは、さらには高めていくためには一人当たりが生み出す付加価値を増大させていくしか無いの現状です。それはつまり、昨今盛んに騒がれている「生産性の向上」に他なりません。

これまで世界は、人口が増える過程の中でGDPを伸ばし経済成長を遂げてきました。そして、高齢化と人口減少が同時に降りかかる世界初のこの状態の中で、日本はどう成長を遂げていくのか考えていかねばなりません。これは前例の無い挑戦だと思います。

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◯ 日本の人口減少速度

では、一体日本は高齢化と人口減少でどれほど労働人口が低下するか見てみましょう。

2000年頃をピークに先進国で同じような工業立国である日本、ドイツが低下していくのがわかります。

絶対値ではいまいちわかりずらいところもあるので、1980年を1としたグラフに直して確認しましょう。

世界労働人口1980年基準

これを見ると日本とドイツが圧倒的に過渡期を迎えていることを改めて確認できます。そして日本が低下速度で1位であることを再確認です。

驚くべきはアメリカです。先進国であるアメリカは移民により今後数十年間労働人口が増えていく予想がされています。

中国は意外にもまあまな勢いで低下していくようで2070年頃には1980年の水準まで低下するとの予想です。

◯ 世界のGDP

次に世界の一人当たりのGDP(2017年)をみてみましょう。

先進国各国はアメリカを除きだいたい同水準となっています。国の経済規模を同水準に保つにはこの値を高めていかねばなりません。もちろんこの値は名目GDPなのでインフレなど物価の影響も孕んでいますが、値を増やさねばならないのは同じです。むしろ豊かさという面で見ればGDPで世界第3位といったことよりも一人当たりにすると27位ということを問題視するべきと思います。

日本は人口が多いから経済規模が大きいだけで、豊かさの観点から言えば先進国で最低ランクだということです。

◯ 日本はどうなるか

今後、日本はこの現状でどうなっていくことが考えられるでしょうか。もしこのまま生産性や企業のあり方が同じ場合、人口減少により国内の市場が縮小していきますのでGDPは縮小していくことになります。つまり、経済規模が小さくなっていくということです。

もちろん国外で稼ぐことによって多少は補えるでしょうが、労働人口が減っていき各企業に勤めることができる人数が減少していく中で、これまでと同じ生産力を維持できるでしょうか。

仮にロボットやその他のテクノロジーによって生産性を補えたとしても50年で4割減る労働人口を完全に補えるかは未知数です。それは移民を受け入れたとしても同じです。

ではどうすればいいか。私はいっそのこと企業数を大胆に減らしていくことが理にかなっていると考えています。

これまで日本は人口の増加とともに企業数を伸ばしてきました。しかし、今後労働人口が減っていくならば企業数も減らして、パイの減ってしまった労働者を集約して効率を高めていく必要があると思います。これでもGDPは減ってしまいますが、規模の原理で労働生産性が高まるはずだからです。

企業の数が過剰だと供給も過剰になり物の値段が過度に下がると考えられます。企業数が過剰に維持されているのも日本がデフレから脱却しにくい要因の一つかもしれません。

日本人はネガティブな情報をことさらに騒ぎ立てるのが好きです。例えば中小企業の倒産数が増えたら異常なほど政府をたたきます。しかし、人口減少の中、経済を合理的に回していかない状況では、倒産による淘汰はむしろポジティブな面すらあると思っています。

日本では生産性の向上を時間の効率性と混同しています。しかし、時間を短くしても同じ1人の人間が生み出す付加価値が同じであれば生産性は何も向上していないのです。働き方改革は下手をすると労働時間の削減と同時に付加価値生産も削減されるのではないかと危惧しています。

職場へのIT導入を推進しても、早く帰るだけで生産量が変化しなければITへ投資した分だけ生産性は下がってしまうのです。

また、少し別の議論になるのですが、これまで日本は労働リテラシーの高い日本人労働者を不当に安い給料で雇うことで国際競争力を上げてきました。労働人口が減ることで、企業は給与を高くしないと人を雇えません。また海外の人にとっても日本の給与が決して魅力的でなくなっているので、必然的に今後は給与が上がってくると私は推測しています。

◯ 日本株はどうなるか

このように人口減少による経済への影響に関しては決して明るい未来像が見えてきてはいません。しかし、もしかしたら株に関しては違う結果があるかもしれません。

以前にも記事にしましたが株の価格というのは企業への評価と期待で決まります。多くの人は今後数十年の日本に期待を抱いているでしょうか。期待していないと答える人が多数派だと思います。

ということは日本は期待値が低い分、株価形成に関しては、経済規模縮小の影響が緩いのではないかというのが私の考えです。これは過去の歴史が証明していて、1990年代の中国とブラジルの株式市場を比べてみるとわかります。

かといって日本の株式市場に情や思い込みで長期投資するのはリスクがあるとも考えます。

日本の株式市場に投資するなら市場全体に投資するインデックス投資は危険があるかもしれません。なぜなら日本の企業は上述したように人口減少とともに減少し、生き残れるような生産性の高い企業のみに淘汰されていくと考えるからです。

やはり日本は個別株の投資に適した国で、インデックス投資するなら素直にアメリカ市場、最悪でも欧州にしておくのが賢明かと思います。

とは言え私も日本人なので日本に明るい未来が訪れることを祈っています。

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