リーマンショックに続く金融危機の新たな引き金として債券市場の抱えるリスクが指摘されています。
 
債券投資におけるリスクとは、信用リスクと金利リスクです。
 
信用リスクとはデフォルト(債務不履行)率のことで、ようはお金を返せないのでその債券はただの紙切れになりました的なリスクです。
 
もう一つのリスクである金利リスクとは、金利の変動によって債券の価格が変化することです。一般的には債券の満期までの残存期間が長ければ長いほど金利の変動によって価格がより大きく変化します。
 
つまり、価格のボラリティは短期債券の方が小さく、長期債券の方が大きいということです。
 
皆さん承知の通り、最近になってようやくアメリカでは金利の引き上げが行われていますが、リーマンショック以降、長らく金利は低いまま景気は回復・拡大期を継続してきました。
 
その結果、これまでになかった新たな懸念が債券市場で生じています。
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の借金増加と信用リスクの増大

景気を支えるため各国の中央銀行は低金利政策を打ち出し、企業にリスクテークの動きを促してきました。アメリカも例に漏れず、その傾向が顕著に出てきています。

図はアメリカにおけるジャンク債およびローン残高の推移です。2012年以降残高が拡大していっているのがわかると思います。また、最も低い格付けであるBの評価を受けた企業が新たに発行する債券は、記録的な割合に達しているとされています。

債券とローン

 

また、投資適格社債と呼ばれるデフォルトリスクの低い社債でも、投資適格社債中最もランクの低いトリプルBランクの割合が急増しています。

BBB

BBBランク企業は金額ベースで米国の全投資適格社債の半分近くになっています。

低金利政策が長く続いたため企業が積極的に借金をしている中、リスクの大きい質の低い債券が市場全体に占める割合が大きくなってきているということです。

そしてこの金利上昇局面において企業は借金の負担が大きくのしかかってきており、債券のデフォルトリスクが急激に高まっているというわけです。

住宅ローン債権の崩壊が引き金となって生じたリーマンショックと同様に、投資適格債とされる債権やその他のジャンク債のデフォルトが引き金となり次の金融危機が生じるのではないかと危惧されているのです。

良債権ETFであるAGGも注意が必要

AGGは米国債のような信用格付けAAA(トリプルA)の債券が70%を占めており、分配金利回りも2%程度つくことから、債権ETFとして非常に人気の高い商品です。

しかし、このAGGですら、このような状況では想像以上のリスクを取っていると考えておいた方がいいでしょう。

AGGは先ほど述べたように70%以上をAAAの投資適格債権で構成していますが、15%ほどはBBBランクの債権も含まれます。

格付けというものは政治的な背景や利権も反映しており、やや適当なところがあるため、BBBランクのものは思った以上にリスクを持っていると考えていいでしょう。

そう考えると金融危機下におけるクッション機能としてAGGに大きな役割を期待するのは危険かもしれません。

リスクコントロールとして用いる債権ETFには、分配金利回りを欲張らず短期のAAA投資適格債に投資できるものに変更してもいいかもしれませんね。

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