近年のインデックスファンドの流行りによってネットの長期投資家の間ではアクティブファンドは中々の悪名高き商品として扱われています。

かくいう私も当ブログ記事内で結構ディスってきた記憶があります。でもまぁなんといいますか、ちゃんと中身を精査すればアクティブファンドの中にもいい商品はきっとあるんだろうなとも思っています。

しかし、インデックスファンドの優位性については有名な著書「敗者のゲーム」にも書かれている通りで、ほとんどのアクティブファンドは平均利回りでインデックスファンドに勝っていないというのが現実です。

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どの程度のアクティブファンドがインデックスファンドに負けているのか

では実際にどの程度の割合のアクティブファンドがインデックスファンドに負けているのか、日本に関する定量的なデータを探してみるとありました。

なんと恐ろしいことにどの株を対象にしても50%以上のアクティブファンドはインデックスファンドに勝っていません。

短期的な株高の恩恵を拾いやすい中小型株を対象にしたファンドですら、5年の期間で54%しかインデックスファンドに勝っていないというのが現状ですし、市場が大幅に上昇していた2010年代をはさむ10年間でも過半数を下回る45%しかインデックスファンドに勝っていません。新興国を対象にしたファンドでは勝率10%未満です。

敗者のゲームの著者チャールズ・エリス氏によれば、アクティブファンドの構成する80%の銘柄はインデックスファンドで構成可能であり、残りの20%の銘柄の選定に高い手数料を払っている事実があるとのこと。

確かに、ファンドの運用資金が大きくなれば構成する銘柄も多くなりますし、流動性の観点からインデックスに採用される銘柄が増える傾向にあると思えば納得のいく解説です。

実際に個人投資家に人気のひふみ投信も、運用資金の膨張から成績を大きく落としています。

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アクティブファンドに投資する場合、『残りの20%の選定に手数料として年間1%ちょっとを支払う』という対価に見合うファンドを、多くの選択肢の中から選ぶ能力が投資家には求められます。

そしてそうなると、『アクティブファンドのコンセプトを精査してきちんとその実力を見抜ける能力があるなら自分で投資すりゃいいじゃん』というジレンマがつきまといます。

このように単純にアクティブとインデックスという引いたカテゴリー分けでデータを見た場合、多くの人がそこまで金融に精通していないことを考慮すると、『事実として勝つ確率が相当に低い』というのがアクティブファンドに投資したくならない理由の大きな一つだと思います。

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実際のアクティブファンドの中身を確認してみる

じゃあ実際、そんなにアクティブファンドって悪いものなのか?いいものかどうか見分けるのってそんなに難しいのか?個別の商品を見て確認してみます。

SBI証券で投信カテゴリーの日本株おすすめアクティブファンドとして紹介されている東京海上-東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンを例に確認してみましょう。

東京海上-東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン

まずアクティブ運用で最も重要となるコンセプト部分の確認です。

日本の株式のうち、経営者が実質的に主要な株主である企業の株式を主な投資対象とし、信託財産の成長をめざして運用を行います。経営者のリーダーシップに関する定性分析を重視しつつ、企業の成長性・収益性に比較して割安であると判断される銘柄を選別し、投資を行います。

このファンドはつまり、

経営者が実質的な大株主であるいわゆるオーナー企業といわれるものの中から、成長性があり割安な銘柄を選定して投資をする

といった商品です。主要な組み入れ銘柄は、2019年1月時点で、

順位 銘柄名
1位 アダストリア
2位 M&Aキャピタル
3位 シノケン
4位 LIFULL
5位 エフピコ

となっています。確かにアクティブファンドらしい独自の銘柄選定です。2019年3月時点では、

順位 銘柄名
1位 ZOZO
2位 アダストリア
3位 ファイバーゲート
4位 ウェルビー
5位 ディスコ

と組み入れ上位の銘柄も大きく様変わりしています。これまたアクティブファンドらしい構成銘柄の変化ですね。

銘柄選定には、『経営者のリーダーシップに関する定性分析』という点を重視しているとなっていますが、実際にどういう定性分析をしているのか。目論見書によるとそれは『経営者との直接面談』となっています。

ここが私が調べた中で一番引っ掛かりました。投資の世界においてもデータ主義が進行し、IT全盛の昨今になかなかの古典的な手法です。ひふみ投信とかもこれをやってますが果たしてこんなので株価の行く末って計れるものなのでしょうか。

他の銘柄選定基準にある 『株価の割安度を測るPER(株価収益率)や株価の勢いを図る株価モメンタムなどの指標を用いてウェイト』のほうが遥かに説得力があります。

しかしながら本ファンドは3年で2倍の成績を残しています。つまり何が言いたいかというと、アクティブファンドのコンセプトだけをみても株価は予測できないし、結局はファンドマネージャーの力量に任せるしか投資家のとれる手はありません。

基本的には経済成長で市場規模が拡大すればゆるやかに上昇カーブを描くインデックスファンドと異なり、アクティブファンドでは成長が継続する体系化された根拠や理論がありません。結果、アクティブファンドの選定における成功の鍵は”運”としかいいようがないのでは?と個人的には感じました。

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結局、やっぱりアクティブファンドは買いずらい

確かにアクティブファンドの一部インデックスファンドの成績を大きく上回るの可能性を秘めていることは確かです。今回検証したファンドも過去5年間はすばらしい成績でした。

しかし、そのような優良なアクティブファンドを選定するのは、多くの投資家にとってくじ引きであたりを期待するような運任せの行為であり、定量的なデータではかなりの確率で負けることがしめされています。

それなのにインデックスファンドよりも手数料として1%以上多くかかるアクティブファンドは、長期間の資産の預け先としてはやはり買いずらいというのが私の結論です。