高配当株の配当再投資戦略”のみ”がシーゲル教授の推奨する投資戦略かのように書いている人もいますが、多くの人が参考にしているだろうシーゲル教授の著書「株式投資の未来」をちゃんと読めばそんなことは言っていないことがわかります。

長期投資家のバイブル

結構勘違いしている人が多そうなので改めてシーゲル教授の投資戦略についてまとめてみました。

今回記事を書くにあたってもう一度著書を読みましたが相変わらず素晴らしい本です。国際的な株への長期投資を考えていてまだこの本を読んでいない人はぜひ読むことをお勧めします。

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シーゲル教授の投資戦略 – 基本は国際分散投資

配当再投資戦略の優位性をデータを以て実証したことから”シーゲルの戦略=配当再投資戦略”と誤解している人がいますが、シーゲル教授の基本戦略はあくまで国際分散投資です。

偏ったポートフォリオを組めば、高くなるのはリスクだけで、リターンではない。

「株式投資の未来」、第16章、P.259より抜粋

金融のセオリーにしたがえば、ポートフォリオの幅はできるかぎり広げるのが正解だ。どの市場も時価総額加重平均ベースで組入れ、なるべく多角的に構成する。

「株式投資の未来」、第16章、P.267より抜粋

このようにハッキリと著書に国際分散投資の重要性を記しているのです。そして、国際分散投資の方法としてグローバル・インデックス・ファンドを推奨しています。アクティブファンドがインデックスファンドに高確率で負けていること、低コストで運用することの優位性から長期的に財産を積み上げる策としての優秀さを考慮しています。

では高配当株式を用いた戦略はどのように登場するかというと、インデック運用をコアとした株式投資のリターンを補完する戦略として利用することが提案されています。

また、高配当株を利用した戦略に加えて世界の大手企業に投資するグローバル戦略、過去のリターンが高かったセクターに投資するセクター戦略、低PERやS&P500にずっと生き残って採用されている銘柄を選定して投資するバリュー戦略の合わせて4つの柱でリターン補完戦略として提唱しています。

基本的には半分は国際分散投資を実現するインデックスファンドで確実なリターンを達成し、そこからリターンをさらに押し上げるために補完戦略を採用する。これが株式投資の未来で提案されているシーゲル教授の投資戦略です。

各戦略の詳細は著書を読んでください。百聞は一見に如かずです。

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シーゲル教授のポートフォリオを作ってみる

シーゲル教授の国際分散投資+リターン補完戦略を満たすポートフォリオをETFを用いて考えてみます。

まずおさらいですがシーゲル教授の推奨するポートフォリオをまとめると以下のようになります。(引用元はもちろん株式投資の未来です。)

戦略 割合 [%]
国際分散投資 50
高配当戦略 各10~15
グローバル戦略
セクター戦略
バリュー戦略

これをETFで作ると次のようになるかなと思います。もちろん、使うETFの選定には別の選択肢もありますし、完全には本の内容を反映していません。だいぶシンプルにしています。

ティッカー 投資先 割合 [%]
VT 全世界株式 50
VYM 高配当株式 15
IOO 全世界優良株式 10
VDC 米国ヘルスケアセクター 5
VHT 米国生活必需品セクター 5
VDE 米国エネルギーセクター 5
VBR 米国小型バリュー 10

高配当株式の戦略で有名なシーゲル教授ですが、高配当株式がポートフォリオに占める割合として推奨しているのは10~15%程度です。

データとして高配当株式が過去に優秀なリターンをもたらしているのは事実ですが、やはりそれに編重してしまうのはリスクが上がってしまうということだと思います。

このポートフォリオが最強なのか私にはわかりませんが、誰かのポートフォリオを見てシーゲル教授の言っていることを誤解している人がいたらちゃんと本を読みましょう。

補完戦略は今流行りのスマートベータそのものです。シーゲルの先見の明恐るべし。スマートベータには賛否両論ありますが、私は結構期待しています。