株価が値幅上限の価格で張り付くことをストップ高といいます。1年間の全市場におけるストップ高の回数は数千回といわれており、意外にもすさまじい数の株がストップ高になっているのです。

ストップ高でその日を終えた銘柄の翌日の株価は激しく動く傾向があるため、多くの投資家がストップ高翌日の値動きに注目し利益を上げようとしています。

当日のストップ高となっている銘柄は証券会社のアプリやHPで確認できるので、誰でもストップ高となった、もしくはなっている銘柄を発見することができ、当日・翌日の売買に容易に参加することができます。『ストップ高投資法』といった投資手法を紹介するページもあるくらいです。

当ブログでもストップ高となった銘柄には注目しており、過去に記事にしております。

【仕手株指標】ストップ高銘柄の特徴とは?2019年2ヶ月分のストップ高銘柄分析結果を公開!

ただ、あくまで私のストップ高銘柄の分析目的は、

ストップ高前の誰も注目していない銘柄を見つけ出すこと

であり、ストップ高となった銘柄の当日・翌日の売買に安易に参加することはやっておりません。それは、ストップ高の銘柄を翌日までポジションキープして利益を狙う戦略には3つの罠があると考えているからです。

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ストップ高の翌日に潜む3つの罠

ストップ高となった銘柄の翌日の売買では次の3つの罠があると私は考えています。

① ストップ高翌日の終値でみると統計的にそこまで勝率が高くない

② ストップ高翌日の場中の値動きに関する情報が少ない

③ 勝率を高めるためには結局簡単ではない

それでは一つずつ解説していきます。

ストップ高翌日の終値でみると統計的にそこまで勝率が高くない

ストップ高翌日の株価に注目するのは結構誰でも思いつくことなので、ネットを調べると統計的なデータをまとめてくれている人がいます。

今回は株webさんのサイトよりデータを参考にさせていただきました。

まずは一番簡単な投資の方法である、ストップ高となった銘柄を購入して放置した場合、翌取引日の終値が前日終値より高い確率は60%程度、ストップ高となった日より5取引日後の終値より高い確率は50%程度となっています。

単純に勝率としてあまり高くありません。また、意外にもこのストップ高翌日の終値比較での勝率は、東証一部だろうがマザーズだろうが関係なく60%でほぼ一定となります。

しかも、これはあくまで株価が高いか低いかなのでストップ高翌日の終値までポジションを保った場合の期待値はまた別ということになります。

ストップ高翌日の終値を狙う戦略

そこで冒頭に紹介した私の記事から2019年3月1日~3月8日までの28銘柄をサンプルに期待値の検証を行ってみました。結果は次の通りです。前提としていずれの銘柄も同じ金額だけストップ高で購入し、ストップ高翌日(翌取引日)終値と比較したときの値です。

勝率:61%

平均リターン:2.3%

標準偏差:8.9%

引用させていただいた勝率とほぼ同じ値となりました。また、平均リターンは2.3%と思ったよりも低く、標準偏差が8.9%と高い結果となりました。平均リターンと標準偏差から考えるとリターンは‐15%~+20%の間に95%の確率で収まることになります。

この結果をみると、ストップ高で果敢に銘柄を購入し、翌日の終値までポジションをキープする手法は、手法と呼ぶにはギャンブル的要素が大きいということがわかりました。

一方、株webさんのデータを見ると、ストップ高翌日の始値、高値は70%以上の確率でストップ高の株価を上回っており、勝率は高いように感じます。

ストップ高翌日の始値を狙う戦略

ストップ高翌日の始値を狙う戦略はどうなのでしょうか。

始値ならだれでも再現性良く取り組めそうな気がするのでいい戦略のような気もします。そこで先ほどと同様に私の記事から2019年3月1日~3月8日までの28銘柄をサンプルに期待値の検証を行ってみました。

勝率:71%

平均リターン:5.0%

標準偏差:9.8%

引用させていただいた勝率とほぼ同じ値となりました。統計ってすごいですね 笑

終値で勝負する戦略よりは幾分かマシな気もしますが、やはり標準偏差が大きく、ギャンブル的要素が強めです。資金が少なく購入銘柄数が限られる人にはあまりおすすめできません。引きが悪いと死にます。

資金量とリスク管理ができる人ならかろうじて取り組んでもいい方法かもしれません。

では高値を狙う戦略はどうなのでしょうか。ここにもデータだけを見て取引できない気を付けたい罠があると考えています。

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ストップ高翌日の場中の値動きに関する情報が少ない

ここで戦略を難しくさせるのは、銘柄ごとの場中の動きに関する情報が少ないということです。過去をさかのぼってデータを集めようとしても基本的には始値、終値、高値、安値しかわからないので場中の分足を銘柄ごとに収集しようとすると結構な努力が必要になります。

高値はあくまで過去を振り返って初めてわかるものであり、場中にその価格が高値かどうかはわかりません。(もちろんストップ高になってくれたら超ラッキーです。それは高値で間違いありません。)

となると、場中の分足による判断が求められることになります。テクニカルに精通した上級者ならそれも可能でしょう。テクニカルに強くない一般投資家がチャレンジするには、だれでも再現できる強い統計が欲しいところです。しかし、先ほども申したように場中の情報が少なく、統計的な戦略をとりずらくなっています。

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勝率を高めるためには結局簡単ではない

結局、ストップ高翌日を狙って利益を上げる戦略は簡単ではなく、戦略を練り、情報を収集し、それを検証して手法にまで昇華させるという練度の高い取り組みが必要になり、初級の投資家が安易に取り組めるものではないと考えられます。

また、始値や高値を狙った逆指値を使った取引にも注意が必要になります。ストップ高になるような銘柄はマザーズやジャスダックなどの新興市場の銘柄が主となります。これらの銘柄は板が薄いため、逆指値を成行執行させようとすると、板に思わぬ大きな乖離が発生して想定していた値段で取引できない可能性があります。一方、指値で執行しようとするとうまく約定しない可能性があります。

そもそもストップ高張り付きの時点で株を買うには比例配分で購入する必要があり、ある程度の資金力が求められます。買えたとしてもわずかな金額にしかならず、また各購入銘柄の金額がばらつくため、先ほどのデータよりもさらにリターンに大きな差が生じてしまうことになると予想されます。

難しいことは百も承知で、あくまで私のストップ高銘柄の戦略は、

ストップ高前の誰も注目していない銘柄を見つけ出すこと

であり、この究極の目標に向けて分析によって期待リターンを最大化させたいと考えています。

皆さんもストップ高銘柄を利用して利益を狙う戦略にある3つの罠に気を付けて下さい。